賭け麻雀と法律
〜 競技麻雀と賭博 〜


 競技として行う麻雀大会では法律上どのような扱いを受けるのでしょうか。麻雀大会で賞金や賞品を出す場合、法律上は賭博罪となるのかどうか、です。

 これにも事例があるのでそれが参考になると思います。

 数年前、第1回さわやかカップ麻雀フェスティバルという麻雀大会で賞金を出すということになった時に、警察から違法性を指摘されたため、開催者が開催予定だった予選を中止し参加費を返還するということがありました。
 具体的には、その大会はザピックという広告会社が企画し大手飲料会社特別協賛で主要プロ団体や雀荘連合など主催のアマ1500人・プロ50人が参加する優勝賞金150万円の大規模な麻雀大会でした。そこに警察庁が違法性に関する指導をしたわけです。
 問題があったのは大会参加者から集めた参加料金と賞金です。参加費の一部が賞金に充てられることは問題があり、参加費そのものが賭け金に当たるという判断だったようです。
 それならばプロアマ混合で開催される竹書房主催の麻雀最強戦も100万円を超える賞金が出ます。これも違法ならば20年以上違法行為が続いていることになります。しかしこれは賭博罪にはあたらないのです。この大会では賞金は全額主催している竹書房が負担しているからです。
 つまり、参加費が大会運営だけに使用され参加費の全部または一部が賞金に充てられなければ賭博罪にはあたらないということのようです。
 裁判所もそのような判断をしています。

◆大審院判決(大正6年4月30日)
 当事者の一方が危険を負担せず、常に利益を取得する組織の場合、賭博罪は成立しない

 ただ、麻雀だけでなく色々な分野の大会でも参加費を集めてその資金で賞品の購入に充てるということも普通にしており、これらすべてが賭博にあたるが、社会通念に照らして判断するべきで何もかも問題にはならないとの立場を警察は採っているようです。
 とにかく賭博罪が成立するためには、当事者双方が損失の危険を負う場合に限るようで、大会主催者等当事者の一方が景品や賞金を用意するだけで片方は負けても損をしない場合には賭博罪とはならないとの考え方で問題ないようです。

 あと、プロ団体のタイトル戦などは賞金があっても賭博罪にあたらないがアマチュアの大会では賞金があると賭博罪にあたる、や、大会の賞金はプロなら受け取っても賭博罪にはあたらないがアマチュアが受け取ると賭博罪にあたる、などという解釈も巷には溢れています。実際に将棋のアマがプロのタイトルをとっても賞金は貰えませんし、ゴルフでもアマの選手がプロの大会で優勝しても賞金がもらえません。
 しかし、これは間違いだと思います。具体的に、ゴルフのアマが優勝しても賞金を受け取れないのは法律上賭博罪にあたるからではなく、アマが出場する場合は賞金を放棄する意思をプレー前に書面で提出する事が義務づけられており、それを提出しているからです。また賞金を受け取るとアマ資格を喪失してしまいアマの大会には出場できなくなってしまうということもあります。要するにお互いの同意でそうなっているのだという解釈が妥当だと思います。また将棋の場合も同様に考えるべきでしょう(将棋の場合は賞金の代わりに物品が貰えるようです)。

 もしプロは賞金をもらっても良いがアマは駄目とういことになると、会社主催の運動会で会社員が賞品をとったら賭博罪で逮捕、会社員がTVのクイズ番組に出て賞金を貰っても賭博罪で逮捕、会社員が小説を書いて芥川賞で賞金を貰ったら賭博罪で逮捕、という物凄く変なことになってしまいます。でもそれはおかしいわけです。常識に照らし明らかに賭博とは言えませんから。

 賞金は全額主催している一方が負担していれば、当事者双方が損失の危険を負う場合に当たらず、よって賭博にもならないというのが法律や判例に照らして適当だと思われます。

 同じようにプロの麻雀大会であっても参加者からの参加料の全部または一部が賞金に回っている構造をもつ大会は賭博にあたるため、そのようなものに対しては警察庁は指導するとしているようです。プロアマ混同で行われる銀星出版社主催の麻雀王座決定戦(旧阿佐田哲也杯)がこれにあたるとのことで指導があれば従わざるを得ないと麻雀王座決定戦運営事務局が困惑していたとかしていなかったとか・・・。

 さらに事例を挙げると、過去には新潟県警察の警察官僚が図書券か何か商品券のようなものを賭けて麻雀をしていたことが賭博ではないかと話題になったこともありました。結局、賭博罪には該当しないということでスルーされました。
 当時は理屈よりも身内のことなので大目に見たのかな?とか、お金ではなく商品券だったからOKなのかと思いましたが、これは主催者が商品券を賞品として参加者に配った(ということにした?)ということがあり賭博罪にあたらないとなったようです。「当事者双方が損失の危険を負っていないので賭博にはあたらないよ」という論理を通したわけです。頭の良い人は言い訳も完璧です。
 具体的にはこのように逃げています。これは逮捕される可能性がある雀士も覚えておいて損はないでしょう。

@本部長が五百円の図書券二十枚を私費で購入した
A図書券は満貫以上の役で上がった場合に景品として一枚が配られた
B財物の得喪を争っていないから刑法185条の賭博罪には当たらない

 ということです。要するに、

@景品は本部長一人が負担した
A賞金ではなく図書券である
B景品の争奪はなされていない

 ということです。

 点数や順位とは関係なく満貫賞としての景品であるため財物の得喪を争っていないと言ってます。本当かな?という感じもしますが^^;。。。
 頭が下がるのは、上で述べたように大正6年の大審院判決で、一方が費用を全て負担し他方が損をする危険がない状態であれば賭博罪にはあたらないわけなので、@だけで十分にも関わらずAやBの理由を用意したところです。つまり、あえてお金じゃなく図書券だとか、争奪行為がなかったのだ、と説明することで、本部長一人が本当に景品費用を負担したのか?という疑問を持たさないような配慮をしたわけです。賞金じゃないよ図書券だ、景品争奪行為はなかった、と一生懸命説明することで、景品は本部長一人が負担したことを当然のことと印象付け、論点をぼかす戦略が背後に見えるわけです。この辺はさすがではないでしょうか!!

 このあたりは博徒雀士としては万が一のために覚えておくとよいかと。まぁフリー麻雀以外の麻雀での逮捕はありえないでしょうけどね。
 少なくとも麻雀大会を公然と開く人にとっては知っておいて損はないかもしれません。


【まとめ】

・競技麻雀の大会は賞金を主催者が負担していれば賭博にはならない
・麻雀大会でも参加費を集めそれを基に賞金を出せば賭博となる



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